第三回業界レクチャー:スタートアップ企業の高成長を支えるITとは
8月28日にzoomで開かれた第三回業界レクチャーではStripe社のソフトウェアエンジニアとして働いているVu Nhat Minh氏を招き、将来スタートアップで働きたい学生のために、スタートアップ企業やITに関するレクチャーをしていただきました。
第三回目のレクチャーでは、スタートアップ企業についてより詳しく知りたい学生のために、「スタートアップ企業の高成長を支えるITとは」をテーマに、第3回業界レクチャーが開かれました。元ドワンゴ、メルカリのテックリードエンジニアとして働き、現在はStripe社のソフトウェアエンジニアとして働いているVu Nhat Minh氏を招き、スタートアップ企業で求められる能力や働き方、エンジニアとして経験したことをお話していただきました。
〇急成長ベンチャーに求められる能力、在籍する人材の働き方
〇エンジニアとして経験した仕事、評価制度、人間関係
〇日本エンジニアとシリコンバレーエンジニアの違い
急成長ベンチャーとの出会い
まずMinh氏は各会社への入社経緯を説明しました。Minh氏は2011年に立命館大学を卒業後、1年ほどFPT社で働いていました。知り合いのつながりによって、2012年にドワンゴに入社し、バックエンドエンジニアして様々なチャンネルやプログラムの開発に関わりました。2017年にはIosエンジニアとして実績を積み、市場調査を行った後、Wantedly(転職サイト)を通してメルカリに応募しました。そして、5回の面接を通し、メルカリ転職しました。メルカリではメルカリアッテ、メルカリJP、メルカリUSの開発などに関わりました。2019年にはFintechスタートアップのプロジェクトに参画し、2021年の6月からStripeに入社しソフトウェアエンジニアとして働いています。
入社経緯の説明の後は通ったスタートアップの二つの共通点を取り上げました。一つ目は常に大胆なチャレンジを行うことです。成長ベンチャーは常に新たに開発できる分野を探し、海外に市場を拡大し展開します。そして、二つ目はエンジニア主導の文化であります。インハウスの技術資産があり、エンジニアもプロダクトのオーナシップをもつことができます。
Minh氏は続いて、これらの成長ベンチャーで働くためのコツを共有しました。1つ目はネットワークを広げることです。インターン、勉強会、カンファレンスへの参加を通し、現場のエンジニアやスタッフとつながるだけではなく、視野を広げ、色んな情報を獲得し、リファーラルを作ることができます。2つ目は自分の市場価値を知るため、Wantedly, Indeed、AngelList, LinkedInのサイトを使って、市場調査を2~3年に一度を行うことです。3つ目は日々のコーディングの練習です。個人的にプロジェクトを設定し、アプリやサービスの開発をしたり、オープンソースへの貢献することは将来のキャリアに役立つと述べました。最後は言語力を伸ばすことであります。そのためには、Ted talk, ネイティブの友達との交流、留学をお勧めしました。
エンジニアとして経験した仕事、評価制度、人間関係
多くのテクノロジー会社の現場では、作業が効率化、個人が成長するために勉強会、conferenceの機会を与えるなど、多方面からエンジニアをサポートします。そして、ほとんどのテクノロジー会社は時間制ではなく、成果主義であるため、長い期間勤務したからといって高い給料が保証されるわけではありません。 “Work Smart + Work Hard” という言葉があるように、ただ一生懸命働くのではなく、スマートに働くことが重要です。最後にIT企業やシリコンバレーでは多国籍の人が集まります。常に多様性を意識し、認め、多角的な視点を持つことも重要だと強調しました。
日本エンジニアとシリコンバレーエンジニアの違い

シリコンバレーとは世界的なIT企業集まっているアメリカ西海岸とサンフランシスコ近郊の地域を指します。そして、それらの地域で活躍するエンジニアがシリコンバレーエンジニアであります。代表例はグーグルやFacebookです。報酬が高く、福利厚生が良いため、シリコンバレーエンジニアの競争がとても激しいです。そのため、英語力の向上や 面接対策サイトのLeetCode, AtCoderを通してきちんと対策することがとても重要です。
Q&A 時間
最後のQ&A時間には参加者からの質問に答えていただきました。
Q:普段の学習のサイクルや技術のキャッチアップはどのように行っていますか。
A: IT業界は常に変化し続けるため、仕事外でも常に勉強をすることが重要です。勉強の仕方としては公式ドキュメントを読むことが多いです。例えば、IOSエンジニアになるためには、Appleのドキュメントの原文を読みます。また、有名な本を読み、実際に自らアプリを作ることもあります。制作過程で色んな失敗を通し、改善点などを見つけ、技術を高めています。
Q.今まで働いてきた会社の環境について教えてください。(働きやすさ)
A: エンジニアとしては、Stripe社とメルカリが働きやすかったです。自分がチャレンジできるプロジェクトに参加できて、きちんと評価され、自分のパフォーマンスに集中しやすい環境が整っています。
Q: 学生のうちに勉強すべき事は何ですか
A: プログラミングと英語が必要不可欠です。また、色んな体験や経験を通し、成長することも重要です。
Q: 勉強会やカンファレンスを探すおすすめのサイトは何ですか
A: iOSDC (iOS Developers Conference Japan)というサイトがおすすめです。これは技術者のためのカンファレンスで、自分の興味のあるテーマ、日時、講演者、講演テーマを選択することができます。また、Ruby kaigi, ScalaMatsuriなどもおすすめです。
まとめではリファーラルを作ること、定期的に市場価値を確かめること、技術力向上のための日々の自習勉強の大切さを強調しました。
9月30日に開かれる第4回業界レクチャーでは、日立ソフトウェアエンジニアリング元社長であり、FPTジャパン元社長のOgawa Takeo氏を招き、ソフトウェア開発について話していただきます。日本時間の15:00から16:30までzoomで開催を予定しています。皆様のご参加をお待ちしております。
➡参加申し込みはこちらから: https://bit.ly/industry-lecture-registration