教育DXにおける課題
日本では、長らく教育DXが遅れていると言われてきました。しかしながら2020年に新型コロナウイルスによってキャンパスが閉鎖されることとなり、オンラインプラットフォームの活用が急務となったことで急速に発展しつつあります。初等中等教育においては「GIGAスクール構想」計画が前倒しされることとなったり、高等教育においてはAI人材の育成について以前に増して叫ばれるようになったりと状況が変化してきていることが伺えます。そこで、本日は加速する教育DXにおける課題についての記事をお届けします。
オンライン授業のためのインフラ整備
大学等の高等教育機関では個人個人がパソコンを所持することは珍しいことではなくなってきており、コロナ禍におけるオンライン授業の移行にそこまでインフラという点での課題は浮上しなかったように思います。しかし、初等中等教育に目を向けてみると「投稿できない期間」におけおるオンライン授業を行われていた割合は15%にとどまりました。その理由に挙げられるのがこのインフラ整備の差にあると言えます。前述したようにインフラ整備としてICT化が必要となります。学校側としての課題いまだに紙の教科書や教材が使用されてることや、保護者への連絡も紙の資料を活用しているなどICT化がそこまで進められていなかったことがあります。。日常の授業で、学徒が1人1台の端末を使いデジタル教材を活用して授業を行うための環境が整備されていない学校はいまだに多いです。また、教員側もオンライン授業を活用する技術、ノウハウの習得が十分ではないことが多く、授業内容の構成や教材の制作においても、対面で行っている授業と同等の質を担保できるのかという懸念点があるといいます。家庭側としては、金銭的な理由で必要な端末を購入できないことやネットワーク環境の整備が難しいこと、デバイス利用のルールを決めるのが難しいということがあり、全ての生徒が平等に授業を受けられる環境ではなくなってしまうという点があります。
オンライン授業の質
オンライン授業におけるもう1つの大きな課題はどうやってオンライン授業の質を保つかということにあります。前述にもあるように、オンライン授業のノウハウが十分でないことや、お互いの姿が見えなかったり、リアルタイムでの授業が難しくなることで、対面の時のように授業の質を保つのは容易なことではなく重要な課題となっています。サイバーセキュリティの研究、調査、セキュリティ対策を提供しているAvast Software Japan 合同会社が2020年6月に世界12ヵ国の保護者6,000人以上を対象に行ったオンライン授業に関する調査によると、日本の保護者で、オンライン授業に満足していると回答したのは24%にとどまっており、調査対象国のなかで最も低い数値となっていました。不満だとした理由には「学習量の少なさ・学習時間の短さ」「子どもの集中力が続かない、集中できていない」「コミュニケーションが一方的」などが挙げられています。
こうした課題はオンライン授業を行っていくうえで解決しなければならない課題であり、考え続けていく必要があるでしょう。
出典:Sales force blog「教育現場におけるデジタルトランスフォーメーションの課題と事例」
FUTURE STRIDE「教育業界の課題とそれを解決するDX」